Salesforceのための、CI/CDパイプラインへの自動テストの統合
Salesforceの最新アップデートの迅速かつ確実な展開と品質保証の強化を考えるのであれば、高度な自動テストソリューションの導入は将来の取り組み課題ではなく、もはや必須のアプローチです。特にCI/CD(継続的インテグレーション/継続的デリバリー)パイプラインに自動テストを組み込むことで、問題を早期に発見し、チームのコラボレーションを向上させ、リリースサイクルを格段に加速させることが可能となり、同時にユーザーを予期せぬエラーからも保護します。
ProvarをCI/CDパイプラインに統合することは、Salesforceエコシステム全体に展開するE2E(エンドツーエンド)テスト実行の自動化を意味します。この継続的なテストアプローチにより、統合の問題を早期に検出して対処できるため、欠陥が本番環境に及ぼすリスクを飛躍的に軽減できるのです。
今回のブログでは、SalesforceのCI/CDワークフローに自動テストを統合することの主な利点を探り、実装を成功させるためのベストプラクティスについて解説します。
Salesforceにとって自動テスト + CI/CDが必須である理由
SalesforceのCI/CDパイプラインでは、コード変更、自動テスト、およびデプロイメントプロセスのシームレスな統合が容易になり、最終的には開発サイクルの短縮、市場投入までの時間の短縮、および全体的な製品品質の向上につながります。
CI/CDパイプラインは、ソフトウェア開発ライフサイクルのビルド、テスト、およびデプロイメントフェーズを自動化します。継続的インテグレーション(CI)とは、コードへの変更を共有リポジトリに定期的に追加することで、その後、自動ビルドとテストを実行して変更を確認します。
この手法は、継続的デリバリー(CD)によって一歩進み、コードへの変更をテストやステージングなどのさまざまな環境に直接送信して、追加のチェックを実行します。さらに継続的デプロイメントではさらに進歩を遂げ、すべてのテストに合格すると、自動的に本番環境に導入されるようになります。
Salesforceは、アプリケーションの開発・実行基盤としての包括的なクラウド型プラットフォームであり、カスタムApexコード、Visualforceページ、Lightningコンポーネント、サードパーティとの連携、そして年3回実施される継続的なアップデートなど、強力でありながらも一方では複雑な環境となっています。CI/CDパイプラインにおいて適正な自動テストを実装せずに実行しようとすると、こうした複雑さがもたらす状況はますます悪化するばかりです。
自動テストをCI/CDワークフローに直接組み込むことで、次のことが可能になります。
いち早くバグをキャッチする
従来のテストは開発サイクルの終盤で行われることが多いですが、その時点では問題の解決が困難で、コストもかかる可能性があります。CI/CDの自動テストでは、フィードバックが即座に得られます。コードはコミット後すぐにテストされるため、バグは早期に発見され、最も簡単に解決できる段階で解決されます。
すべてのコミットに関してユニットテスト、統合テスト、E2Eテストを実行できるようになり、フィードバックループが大幅に短縮され、より高速で安全なリリースが可能になります。
リグレッションや不具合を回避し、信頼性を向上
自動テストは、カスタムコードから統合に至るまで、あらゆるものがアップデートごとに期待通りに動作することを確認できます。これは、リグレッションや不具合のある機能が本番環境に紛れ込むのを防ぐための重要な防御策となります。
また、適正な自動テストの実装により、以下のメリットがもたらされ、Salesforceを取り巻く環境が進化を続けても安定性と一貫性を維持できます。
手作業の削減
手動テストは時間がかかるばかりか、人為的ミスが発生しやすい傾向があります。プロセスを自動化することで、開発・QAチームは探索的テストやテストカバレッジの向上など、より影響の大きい作業に注力できるようになります。従来の手動によるテスト手法では、現代のソフトウェアデリバリーの高い要求を満たすことはもはや不可能であり、テスト自動化は極めて重要です。
Salesforce のテスト自動化により、回帰テスト、データ整合性の検証、UI 要素のチェックなどの反復タスクが、人手による作業よりも高速かつ確実に処理されます。
一貫性を確保する
テスターごとに異なる可能性のある手動テストとは異なり、Salesforceの自動テストでは、テストが毎回まったく同じ方法で実行されることが保証されます。この一貫性は、複数のチームや環境で作業する場合において重要です。
CI/CDパイプラインのテストは、開発、テスト、ステージング環境全体で自動的に同じように実行されるため、本番環境に移行する前に問題を発見するのに役立ちます。
チーム内外のコラボレーションを促進する
自動テストは開発者とQAチームの連携を促進します。開発者はリアルタイムのフィードバックを得ることができ、QAチームは問題をより早く発見して報告することができます。開発、QAに関わる全員が同じ情報源に基づいて作業することで、コミュニケーションと信頼が向上し、よりスムーズで統合された開発サイクルが定着し、促進されます。
継続的デリバリーを強化する
Salesforceの自動テスト環境は継続的なテスト基盤となるものであり、真の意味で継続的デリバリーを実現するための基本的な要素と言えます。これにより新しい機能の追加やたとえ小さな変更であっても、パイプラインを通過する際に自動で検証が行われます。
Salesforceに関わるチームや担当者にとって、これは主要な機能のリリースであれ、比較的小さな設定の調整であれ、高い信頼性と安心感を持ってスピーディーに展開できることを意味します。
CI/CDパイプラインへ自動テスト統合のためのベストプラクティスとは
このようにCI/CDにおける効果的なテストの実行には、自動化が不可欠です。自動化により、開発・QAチームは問題を早期に検出し、品質基準を維持し、信頼性の高いソフトウェアを迅速に提供できるようになります。反復的なテストタスクを自動化することで、効率性、一貫性、そして拡張性を向上させることができます。
Provarが提供するテスト自動化ソリューションは、自動テストをCI/CDパイプラインにシームレスに統合することで、Salesforce開発におけるスピードと品質保証への高まるニーズに対応し、成長と進化を続けるSalesforceのビジネスメリットを最大化します。
CI/CDパイプラインへ自動テスト統合する利点を最大限に発揮するために、以下のすでに実証されているプラクティスをご検討ください。
1. 堅牢なテストスイートを構築する
まずは包括的なカバレッジの向上から始めましょう。自動テストスイートには、単体テストから統合テスト、機能テスト、回帰テストなどをサポートする必要があります。また、Apexコード、Lightningコンポーネント、フロー、トリガー、サードパーティとの連携といったSalesforceのコア要素も含めることが重要です。
Provarのテスト自動化フレームワークは、Salesforce専用に構築されており、開発・QAチームがスケーラブルかつ効果的な自動テストを容易に作成、運用および保守できるようになっています。
2. シフトレフトによる品質保証
「シフトレフト(Shift Left)」ではテストプロセスの自動化は必須の要件となります。テスト工程をより上流(開発工程の左側)で早い段階から開始すれば、それだけバグや脆弱性問題を速やかに発見できます。手動テストのばらつきを回避し、一貫性のある効率的なテスト実行を可能にするため、コードがバージョン管理にコミットされるたびに自動テストをトリガーし、変更をリアルタイムで検証します。
Provarによるシフトレフト・アプローチにより、Salesforce開発プロセスの初期段階から品質が最優先されるようになります。
3. CI/CDツールと統合、活用する
SalesforceはCI/CDとのリンクを仕組みとしてサポートしており、一般にJenkins、GitLab CI、CircleCIなどのツールを使用して、ビルドプロセス(開発コードを本番環境で効率よく実行する形に変換するためのステップ)の一環として自動テストがトリガーされ、生成されたプログラムが意図したとおり動作するかを検証します。これらのビルドツールは、新しいコードがプッシュされるとすぐにテストを自動的に実行するために役立ちます。
ProvarはCI/CDプラットフォーム上で上記のツールと簡単に統合できるため、日常のワークフローに自動テストを簡単に組み込むことができます。
4. 複数の環境でテストする
Salesforceの環境は多様であるため、テストもそれに応じて実施する必要があります。開発環境、ステージング環境、QA環境でのデプロイメントを検証し、本番環境に移行する前に環境固有の問題を特定しましょう。
ProvarとCI/CDツールを組み合わせることで、複数の環境でテストスイートを確実に実行できます。
5. テストスイートの監視と保守
テスト環境は常に綿密に監視し、最新の状態に保たねばなりません。Salesforceの進化に合わせて、テストも進化させる必要があります。誤検知や欠陥の見逃しを防ぐため、定期的にテストの監査・改善も実施するなど、適切にメンテナンスされたテストこそが、信頼性の高い包括的な自動化の基盤となります。
結論として
Salesforceの自動テストをCI/CDパイプラインに統合することは、Salesforceを活用して迅速かつ確実に拡張していくために不可欠です。バグを早期に発見し、より迅速なリリースを行い、開発から運用に関わるチーム間の連携を強化することができます。Provarの自動テストソリューションを活用すれば、自動化の統合はこれまでと比べ飛躍的に容易になります。
CI/CDは効果的なソフトウェアの展開・配備(デプロイメント)に不可欠であり、とりわけ自動テストの実装はCI/CDパイプラインの統合において極めて重要な目標達成の鍵となります。Provarは、ソフトウェアの品質、開発スピード、信頼性を向上させることにより、SalesforceのCI/CDパイプラインにおけるテスト自動化の目標達成をサポートする包括的なソリューションを提供します。強力なメタデータ駆動のアプローチとユーザーフレンドリーなインターフェイスを活用し、Salesforceに関わるチームは自動テストを迅速に作成、実行、保守し、開発現場の生産性を大幅に向上することが可能になるのです。
テスト自動化ツール『Provar』、Salesforce Summer‘25リリースに対応
Salesforceのバージョンアップに継続的に対応し、回帰テストの煩雑さから解放
Salesforce向けテスト自動化ツール『Provar (プロバー)』の国内総代理店である株式会社アドックインターナショナル (本社:東京都立川市、代表取締役CEO:小林 常治/以下ADOC) は、本年6月15日に予定されているSalesforceの最新メジャーバージョンアップであるSalesforce Summer’25リリースに対応する、「Provar Summer ’25 リリース1」の提供を開始します。
ProvarはSalesforceプラットフォームと自律型AIエージェント「Agentforce」に対応するテスト自動化ツールです。メタデータ駆動型の高い復元性 (レジリエンス) を備え、Salesforceの開発やカスタマイズ等に伴うテストプロセスにおけるさまざまな課題を克服。高度な自動化によって最新のアップデートに適応する高信頼・高品質なアプリケーションの早期リリースを可能にします。
■Provar製品サイトのURL:https://provar-adoc.com/
「Provar Summer‘25 リリース1」について
Salesforceは年3回のメジャーアップデートにおけるUI/UX、フレームワーク、およびAPI等の更新に関わる複雑な回帰テストのために自身がProvar製品を採用しています。こうしてProvarはSalesforceの品質向上に深く関わるとともに、最新リリースにも速やかに追随、対応しています。
●本リリースの主要な機能追加・修正の内容
① 自動化スクリプトの保守性にかかわる修正
・Salesforce Summer‘25における変更に伴い、作成済みProvar自動化スクリプトの動作に影響の出る箇所を修正し、テスト自動化スクリプトが従来通りに問題なく実行できることを保証します。
・主な修正ポイント
-「リストタイプ選択時に、リスト用の新たな検索フィールドが導入されたこと」への対応
-「活動タイムライン」「リストにおける空白列の値」における、DOMの変更への対応
-「Case Merge画面」「高度な検索画面」「Field Serviceオブジェクト」における、メタデータ変更への対応
-Salesforce CPQ* Summer’25 (v256) との互換性への対応
※Salesforce CPQ(現Salesforce Revenue Cloud)は、製品サービスの構成・価格設定・見積書作成を効率化するため
のクラウドベースソリューション
② 各製品機能の強化
【Provar Automation】
(1) リード取引開始後画面の自動化機能強化
・リード取引開始後の遷移ビューを含むテストケースの作成が可能になります。
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(2) Salesforce要素識別子の強化
・Salesforce要素を識別するロケータから、堅牢ではない属性とプロパティを削除し、自動化の安定性と堅牢性を向上します。
(3) Salesforceページレイアウト機能に対する自動化機能強化
・長いレコードタイプ名 (31文字以上) に対するアサート処理が可能になります。
・レコードタイプ名に特殊文字 (「♪ / * [ ] : ?」) が含まれている場合も、正常処理が可能になります。
(4) Excel書き込み処理における不具合を修正
(5) Excel読み込み処理における不具合を修正
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(6) Selenium Grid3との統合における不具合を修正
Provarの優位性:「メタデータ駆動」がSalesforceのテスト自動化を革新する
Provarはひとつの製品でSalesforceプラットフォームとAgentforce、さらにエコシステムのテスト自動化と開発サイクルを短期化し、ビジネスイノベーションを支援します。Provarと他の汎用的なテストツールとの大きな相違のひとつは、Provarが備えるSalesforceネイティブな「メタデータドリブン (駆動型) の機能」にあります。
Salesforceを利用する多くの企業・組織にとって、自動テストの導入は喫緊の課題のひとつです。Salesforceが持つポテンシャルは、変更への柔軟な対応、効率的な拡張、そして段階的な投資などを支援する、自動テストソリューションの実現によって最大化されます。Provarの高度なメタデータ駆動型機能が真価を発揮するのはまさにこの点なのです。
Salesforce専用に開発されたProvarは、Salesforceのメタデータを活用することで従来のテスト自動化ツールの枠を超え、導入当初から高い安定性、子細な可視性、そしてよりスマートなテスト実行を実現します。
今回のブログでは、開発・QAチームのSalesforceテスト自動化レベルの飛躍的な向上に貢献する、Provarのメタデータ駆動の機能の優位性について解説します。
メタデータ駆動型テストとは何か?重要な理由とは
「メタデータ」とは、データに関する種類や属性、構造、意味などを記述したデータであり、つまりメタデータは他のデータを説明・定義・制御するための情報といえます。
Salesforceにおけるメタデータとは、オブジェクトやGUI上のLightning Pageに関連付けられた、Salesforce組織の構成要素 (オブジェクト、項目、リレーションシップ、レイアウトなど) を定義する構造化された情報です。ProvarはこのSalesforceメタデータにダイレクトにリンクされるため、アプリケーションのコンテキストを正確に理解し、テストをより直感的に実行することができるうえ、変更や更新に対する耐性、柔軟性を大幅に向上させます。
Provarのメタデータ駆動のテストでは、他のツールの脆弱なセレクタやハードコードされたUIロケーターに頼るのではなく、メタデータを使用してテストステップを実際のSalesforceコンポーネントにマッピングします。それにより、項目ラベルやレイアウトなどに変更があった場合でも、Provarによるテストは手動で監視や更新を行うことなく、自動で動作し続ける可能性が飛躍的に高くなります。
急速に進化するソフトウェア開発の世界では、Salesforceおよび自律型のAIエージェントとして注目されるAgentforce、さらにエコシステム内で構築されるアプリケーションの品質と信頼性を確保するために、自動テストは不可欠な手法となっています。
しかし、すべてのテスト自動化ソリューションが、耐障害性や復元性(レジリエンス)に関してProvarと同等に設計されているわけではありません。多くのツールは、頻繁な変更の影響を受けやすく、大規模なメンテナンスを必要とする従来の手法に依存しています。一方、ProvarはSalesforceのメタデータを活用することで、市場の他のツールよりも耐障害性の高いテストを構築。既存のツールと比較してそのメリットは大きく一線を画しています。
洗練された、より復元性 (レジリエンス) に優れるテスト
Provarの最も強力な差別化要因の一つは、変更への対応力です。Salesforce環境では、更新が頻繁に行われ、設定が複雑なため、脆弱なテストは全体の速度を低下させる可能性があります。Provarのメタデータ駆動型エンジンは、こうしたリスクを防ぐのに役立ちます。
安定した要素の識別:Provarはテストステップを UIだけでなく Salesforceメタデータにマッピングするため、多くの種類の変更に自動的に適応できます。
ノーコードおよびローコードの開発:Provarの直感的なテストビルダーにより、技術者および非技術者の両方のユーザーが堅牢なテストを簡単に作成し、メンテナンスできるようになります。
再利用可能なテスト資産:Provarを使用すると、ユーザーは組織の構造とワークフローを反映するモジュール式の再利用可能なコンポーネントを作成できます。これは、回帰テストやチーム間の自動化のスケーリングにおいて強力な資産となります。
Salesforceの深い理解から生まれた親和性
ProvarはSalesforceと連携するだけでなく、ネイティブにSalesforce向けに構築されています。またSalesforce自身も年3回のメジャーアップデートにおける複雑な回帰テストなどのために、Provar製品を採用。ProvarはSalesforceの品質向上に深く関わるとともに、バージョンアップや新機能採用にも速やかに同期しています。Provarは、以下のSalesforce機能のネイティブサポートを提供します。
●標準オブジェクトとカスタムオブジェクト
●レコードタイプ、ページレイアウト、Lightningコンポーネント
●フロー、承認、検証ルール
●APIベースのテストとSOQLのサポート
Provarが培ってきた深いSalesforceプラットフォーム知識は、回帰テストや統合テスト、またユーザーがSalesforceとどのようにやり取りするかを正確に反映するエンドーツーエンドテストにおいて、開発やQAに従事するチームに大きな利点をもたらします。
投資や環境に対応する、段階的な拡張性と統合性
Provarは、Salesforceへの投資に合わせて段階的にテスト自動化を拡張できます。小規模な開発チームをサポートする場合でも、複数のクラウドにまたがる複雑なエンタープライズクラスの展開を管理する場合でも、Provarは以下のメリットを提供します。
環境に対応したテスト:組み込まれた環境管理機能を使用して、複数のSalesforceプラットフォームの環境にわたって簡単にテストできます。
シームレスなCI/CD統合:Provarは Jenkins、Azure DevOps、GitLabなどと連携して、DevOpsパイプラインの一部としてテストを自動化します。
エンドツーエンドの可視性:ユニットレベルの検証から完全な回帰スイートまで、Provarを使用すると、結果の追跡、問題の診断、テスト範囲の継続的な改善が容易になります。
開発・QAチームが自動化の範囲を拡大しようとする場合、またはCI/CDパイプラインを構築しようとしている場合でも、あるいは単に不安定で脆弱なテストスクリプトの維持に辟易としている場合であっても、Provarの高度な自動化機能は、検証作業の迅速化と予期せぬ事態を回避し、より高い信頼性を確保できるように設計されています。Salesforceメタデータを活用することで、Provarはあらゆる変化に適応し、お客様固有のビジネスニーズに合わせて拡張できる、よりスマートで安定したテスト環境を提供します。
メタデータ駆動で、復元力のあるテストを構築する
ここからは、Provarのテスト構築機能が復元力の点で競合他社を凌駕し、Salesforce専門チームや安定性を求める開発・QAチームに選ばれ、信頼できる選択肢となっている理由について説明します。
テストケース作成、実行、デバッグのためのテスト自動化機能をつかさどる基本モジュールである「Provar Automation」は、Salesforceのメタデータ内の情報を利用して、各要素の位置を把握し、Salesforceのメタデータが変更されるとロケーターを自動的に更新します。Salesforceのメタデータに基づいてテストを構築することで、アプリケーションの変更に対する耐性が大きく向上。実にシンプルかつ強力な機能です。
フィールドやレイアウトに関連付けられたメタデータは、レンダリングされたWebページのソースコードよりも変更頻度が低いため、テストが中断されるケースが減少します。これによりメンテナンスの負担が軽減され、テスト作業をアプリケーションの機能とロジックに集中することができます。Salesforceページ要素のマッピング、インタラクションの予測、ページレイアウトの理解、テスト生成に使用されるコードを維持し、Salesforceの新しいリリースとの互換性を確保します。
またProvar Automationに組み込まれたテストは、再利用性においても優れた耐性を備えています。異なる組織、言語、ユーザープロファイルなど、複数のコンテキストでの再利用が可能です。この再利用性により、テストプロセスの効率性と拡張性が向上し、開発・QAチームはテスト作業を効率化し、市場投入までの時間を短縮できます。
復元性 (レジリエンス) は、Classic、Lightning、Flexipages、Dynamic Formsなど、複数のSalesforceアプリケーション間でシームレスに連携する必要があるテストにも重要です。Provar Automationは、同じメタデータに対してテストを検証し、Salesforceメタデータの変更や更新によって発生するエラーを迅速にチーム内に通知。その堅牢な自動テストは、検証ルール、トリガ、権限セットなど、Salesforceの幅広い機能をサポートします。
このように、Salesforceのメタデータ内の情報を活用することで、あらゆるページレイアウト、組織タイプ、アプリケーションとのテストの互換性を確保します。この柔軟性により、チームはテストの安定性を損なうことなく、進化を続けるSalesforce環境に適応することができます。
Provarが復元性において他のツールを凌駕する理由
ここでは、メタデータを考慮したテストの作成と実行に焦点を当て、Provarの優位性について引き続き探っていきます。
あるアプリケーションでは復元性が確保されているように見えても、別のアプリケーションでは確保されていない場合、そもそも真の復元性が実現されているとはいえません。従来の自動テストソリューションは、レンダリングされたページの情報 (HTML、CSS、JavaScript、Shadow DOMなど) に基づいてテストを構築します。これらの要素は一見期待通り動作しているかのようにハードコードされているケースもありますが、Salesforceは常に変化しており、定期的なアップデートと頻繁な変更により、テストは不具合やバグの影響を受けやすくなっています。
一方、Provar Automationは動作がまったく異なります。レンダリングされたページソースのデータを使用する代わりに、Salesforceメタデータモデルの情報とSalesforce組織のメタデータを使用してテストを構築します。前述のとおりメタデータはレンダリングされたページソースよりもはるかに頻繁に変更されないため、Provarによるテストはハードコードされた情報を使用して構築されたテストよりも、はるかに高い耐障害性を備えています。
Provar Automationの堅牢な自動テストは、検証ルール、トリガ、権限セットなど、Salesforceの幅広い機能をサポート。強力なメタデータ駆動機能により、コミュニティ、コンソール、Visualforceページ、Lightning UIなど、これまで自動化が難しかったSalesforce領域のテストが容易になります。また、ProvarはSalesforceのリリース更新と常に連携しているため、チームは事前に不具合を回避し、リードタイムを短縮できます。
このようにメタデータ駆動のテスト作成機能は、開発・QAチームに目に見えるメリットをもたらします。復元力と再現性に優れたテストを提供し、メンテナンスの負担を軽減し、またテストステップの自動設定に加え、より簡単で直感的なローコードインタフェースによるテスト構築も実現。さらに、Salesforceの様々なページレイアウト、組織タイプ、アプリケーション (Classic、Lightning、FlexiPages、Dynamic Formsなど) で機能する高度なロケーターを作成することができます。
まとめ
Salesforceの頻繁なアップデートとカスタマイズは、巨大で複雑なSaaSプラットフォームを常に最新の状態に保つ上で非常に有効ですが、テスト自動化ソリューションにとっては深刻な課題が伴います。HTML、CSS、JavaScript、DOMベースのアプローチで構築された従来のテスト環境は、これらの要素が不安定であるため、アップデート中に破損する傾向があり、時代の流れに反したリスクの高いプラクティスに依存していると言わざるを得ません。
Provarのテスト自動化ソリューションは、Salesforceのメタデータモデルを活用して要素を特定できる安定した独自のロケーターを備えており、このメタデータ駆動こそが堅牢なテスト構築の基盤となるものです。しかし、今日のほとんどのテスト自動化ソリューションはメタデータ駆動では動作せず、Provarで構築されたテストに比べて耐障害性、変更への柔軟性が大幅に低下します。こうしたアプローチは、結局、手動による更新への依存とメンテナンス作業の増加につながります。
Provarは、復元性、直感的な操作性、安全性、そしてエンドツーエンドのテストを求める組織と開発・QAチームに、堅牢で高品質なソリューションを提供します。Salesforceのメタデータを効果的に使用して、より迅速に、より復元力の高いテストを構築、作成、実行し、Salesforceの更新や変更と常に連携を維持します。これにより、チームやテスト担当者は従来のテストツールでは困難であった検証作業を飛躍的に効率化でき、結果として高い品質目標を達成することができるのです。
AIエージェントのテスト自動化:ProvarとAgentforce Testing Centerの比較
Salesforceは、昨秋、信頼性の高い自律型AIエージェントを業務フローに導入するためのデジタル労働力を生み出すプラットフォームであるAgentforceを発表。AIエージェントは、ソフトウェアの新しい概念であり、顧客や従業員の代わりに推論して行動するインテリジェントなシステムです。一方で、その可能性を最大限に引き出すには、AIエージェントを実際の運用環境において、中断することなく安定したテストおよび設定を継続していく必要があります。
堅牢で自動化されたテスト環境を構築することで、AgentforceにおけるAIエージェントのテストや動作、監視を高い拡張性と信頼性のもとで確実に実行し、あらゆる企業がAIエージェントの恩恵を享受することが可能となるのです。
今回のブログでは、Agentforceを構成するコンポーネント、AIエージェントのテスト手法における課題と検討事項、そして Provarによって「Agentforce Testing Center」を補完し、ビジネスプロセスを一貫してカバーするエンドツーエンド (E2E) のテストを実現するメリットについて解説します。
Agentforce Studioの構成要素
Agentforce Studioは、AIエージェントを効率的に作成および管理するために設計された SalesforceのAI駆動型自動化フレームワークです。これには、いくつかのコンポーネントが含まれます。
プロンプトビルダー (Prompt Builder) : ユーザーがさまざまなプロンプトテンプレートを作成およびテストが可能。これは、生成AIアプリケーションに役立つ
エージェントビルダー (Agent Builder) : さまざまなアクション、ワークフロー、カスタムApexスクリプトを実行できる、拡張チャットボットを作成するためのローコードツール
モデルビルダー (Model Builder) : カスタムAIモデルの開発と統合を可能にする
テストセンター (Testing Center) : さまざまな発話(自然言語による指示)とトピックのマッチングを使用し、AIエージェントをテストするためのソリューションツール
AgentforceはSlack、Google、OpenAIなどのAPI ともシームレスに統合され、Salesforceエコシステム内で安全かつ堅牢なAI自動化を実現することができます。
Agentforceテストにおける重要な用語
テスト方法論の解説に入る前に、いくつかの重要なキーワードの定義を明確にしておきましょう。
チャネル : 電子メール、WhatsApp、体験サイトなど、AIエージェントが動作するさまざまな通信媒体
発話 (Utterance) : 処理して対応することが求められるAIプロンプトのこと
トピック : 発言を整理し、適切なアクションにルーティングするカテゴリ。
トピックアクション : API 呼び出しやデータベースの更新など、識別されたトピックに基づいて実行されるアクション
Atlas推論エンジン : Agentforceの背後にある AIロジックで、意図の決定、トピックのマッチング、アクションの実行を担当する
Agentforceが新たに生み出すテスト課題
革新的なテクノロジーには新しい課題が伴い、AI駆動型エージェントのテストには、従来のSalesforceテストとは異なる独自の課題が生じます。ここでいう新しい課題には、次のようなものがあります。
1.データの検証
AIエージェントがデータを正確に処理および検証していることを確認することは重要です。これにはデータの完全性と品質、指定されたAIプロンプトに対するデータの関連性の検証が含まれます。
2.スケーラビリティテスト
AIエージェントは、大量のトラフィックと大量のデータを効率的に処理しなければなりません。テストには大規模なパフォーマンスシミュレーションと、ストレス下での応答精度を評価するための負荷テストを含める必要があります。
3.目標の調整とAI幻覚 (hallucination) の予防
AIの応答は、予期しない逸脱を招くことなく、意図した結果と一致している必要があります。テストにはAI応答の正確性を評価すること、さらに幻覚 (AIが生成した誤った情報) を検出し、トラブルを回避できることを検証しなければなりません。
4.マルチエージェントインタラクション
多くのAIシステムは連携して動作します。テストを通じてエージェントがさまざまなワークフロー内で正しく対話すること、また複数のエージェントから構成されるマルチエージェントシステムのインタラクション全体にわたるデータの整合性を保証する必要があります。
5.倫理的制約とコンプライアンス
AIは社会インフラを支える電気・ガス・運輸などの規制産業において、特に倫理ガイドラインを遵守する必要が生じます。テストではセキュリティと倫理的制約の遵守、偏見や有害な行動の防止などに関する検証を行わねばなりません。
Agentforceのテスト手法の比較
1.Agent Builderによる手動テスト
Agent Builderは、AIエージェントを作成し、その応答を手動でテストするためのローコード環境を提供します。AIエージェントが実行するタスクを、自然言語による指示や追加の制限を含むトピックで定義することが可能となり、フロー、Apex、MuleSoft API、プロンプトテンプレートなどを活用してAIエージェントを実行することができます。
しかしながら、手動によるテストには次のような制限が伴います。
●テストに多くの時間を要し、工数などの負担が増大する
●自動化の範囲は、事前に定義されたテストケースに制限される
●信頼性の高いAIエージェントの評価に必要なスケーラビリティの欠如
2.Agentforce Testing Centerによるテスト
Agentforce Testing CenterはAI駆動型のテスト自動化に取り組み、次のことを実現します。
●シングル(単一)ターン検証 : 個々のプロンプトに対して予想される応答のみテストを行う
●スケーラビリティ : 制御されたSandbox環境内のみで一括テストを実行する
●トピックとアクションの自動マッチング : AIエージェントがリクエストを正しくルーティングすることを保証する
また、現行のTesting Centerは完全な会話型フローではなく、主に個別の発話に焦点を当てているため、現実世界のやり取りを評価する能力が制限されます。
3.Provarによるエンドツーエンドのテスト
一方Provar は、手動テストと単一ターン検証の限界に対処するため、より包括的なテストアプローチを提供します。ProvarがAgentforceのテストにおいて提供する主な機能は次の通りです。
●ペルソナベースのテスト : Salesforce内のさまざまなユーザーロールに対して、AIエージェントが正しく機能することを確認する
●マルチチャネルテスト : さまざまな通信チャネルにわたる AIエージェントのインタラクションをテストする
●マルチステップテスト : 個別の応答ではなく、完全なAI駆動型ワークフローをシミュレートできる
●プロンプトバリエーションテスト : さまざまなユーザー入力に渡って、AIエージェントの精度を評価する
●応答評価 : AIによって生成された応答が、期待される品質基準を満たしているかどうかを評価する
●会話評価 : 完全な会話のやり取りを通じて、AIエージェントの動作をテストする
Agentforce Testing CenterとProvarの主な相違点
特長 | Agentforce Testing Center | PROVAR |
---|---|---|
テスト範囲 | シングルターン検証 | エンドツーエンドのテスト |
オートメーション | AI生成テストケースのみ | 包括的なテスト自動化機能を提供 |
スケーラビリティ | 大規模バッチテスト | 複数のステップから成る現実世界のシナリオ |
発話テスト | 個別のプロンプトに限定 | 完全な会話のやり取りを評価 |
統合 | Agentforce環境のみに注力 | Salesforce UI、API、データベース等をサポート |
AIエージェントのエンドツーエンドのプロセスをどのように決定するかは統合方法によって異なります。エージェントが Salesforce環境内のみでやり取りする場合は完全なエンドツーエンドではありませんが、外部データベース (ERP、Oracle など) やアプリケーションに接続する場合は、エンドツーエンドの統合環境を検証しなければなりません。これらのプロセスは、エージェントワークフローを構築するときにマッピングする必要があります。
Provarは、Seleniumなどのオープンソースフレームワークと同様に、一般的なWebアプリケーションとWebページのテストをサポートします。また、Agentforce Testing CenterはAIベースの検証を実行し、許容可能な回答の範囲を許可しますが、Provarを使用すると、ユーザーは厳密な検証または柔軟な検証を定義することができます。
テスト範囲に関して、ProvarとAgentforce Testing Centerの違いは前述のとおり、Testing Centerでは現状では単一ターンの発話検証に重点を置いているのに比べ、Provarは完全な会話フローと複雑なエンドツーエンド環境のシナリオを処理することができる点にあります。
AIエージェントは速度と信頼性の点から、APIとSOQL経由でのテストが推奨されますが、UIテストは、ペルソナベースのシナリオやレイアウト検証などでは必須となります。また、複数の入力が必要なエージェントの応答に対して、Provarは実際のユーザー操作をシミュレートするために、単一入力テストと順次入力テストの両方をサポートしています。
Provarは単一のテストケースで複数の接続をサポートしており、さらに複数のSalesforce、UI、API、データベース接続を統合してテスト実行できます。Provarは動的エージェントの応答を検証するに際して、偽陰性 (本来陽性であるべきデータポイントを見逃し、陰性と判断すること) を防ぐために、ページの読み込みとバックグラウンドプロセスに動的な待機メカニズムを提供します。
なお、Provarはテストビルダーの機能によって、テキスト値、HTML 属性、および可視性プロパティを動的に抽出することにより、チャットテキストのプロパティを識別しています。
また、Agentforce Testing CenterとProvarはどちらも並列テスト実行が可能です。
まとめ
ProvarはSalesforceプラットフォームにおけるエンドツーエンド環境の自動テストはもちろん、今すぐAgentforceのテストにご利用いただけます。現行の Provar製品の高度な機能を使用して、堅牢かつ高信頼のテストを実行できます。
AIエージェントの精度、信頼性、コンプライアンスを確保するには、包括的なテストの実行が不可欠です。Agentforce Testing CenterはスケーラブルなAI生成テストケースを提供しますが、主に単一ターンの検証に重点を置いています。Provarの機能はさらに拡張を施されており、Salesforceエコシステムの広範かつ複雑なエンドツーエンドに渡るビジネスワークフローの自動化、実際のシナリオのテスト、マルチチャネル検証などが可能になる大きなメリットがあります。
Agentforceの効果を最大限に高めるために、Salesforceに関わる開発チームはTesting Centerを高度に補完するProvarを効果的に活用することで、革新的なAIソリューションが企業のDXや成長目標と一致し、ユーザーエクスペリエンスを向上させ、さらにセキュリティとコンプライアンスの標準を満たすことができるのです。
Agentforceの品質/信頼性を強化する、テスト自動化ソリューション
SalesforceのAgentforceは、業務の効率、精度、顧客体験を向上させるために、ワークフローに自律的なAI搭載エージェントを統合することで、企業活動に革命的な転換を起こそうとしています。今後、日本市場でも導入が進むと予想される中、Agentforceを利用する企業や組織にとって、堅牢なテスト環境の構築は決して「特別な準備」ではなく、ビジネス上必要不可欠なものであることを理解する必要があります。
AI自動化の失敗は、業務の中断や経済的損失、顧客の信頼の失墜につながる可能性があります。組織は、リスクを軽減し、Agentforceの潜在能力を最大限に引き出すために、堅牢でスケーラブル、包括的なテスト自動化ソリューションを必要としています。
Salesforceの主要なテスト自動化プラットフォームであるProvarは、Agentforceの展開をテストするための比類のない機能を提供します。今回のブログでは、Agentforceのテストの重要性、テストを行う際に直面する課題、そしてビジネスの要求を満たすために必要なスピード、スケール、効率性をProvarがどのように実現するかについて説明します。
Agentforceの利点と課題とは
Agentforceは最先端のAI自動化を実現し、組織に次のようなメリットを提供します。
● 複雑なワークフローの自動化
● 業務の効率化
● 卓越した顧客体験を提供
● データに基づいた意思決定を推進
AIエージェントを活用することで、企業は顧客とのやり取り、データ分析、マーケティングキャンペーンなど、あらゆる面で一貫性と拡張性、革新性を高めることができます。ただし、Agentforceの変革力は、慎重な検討を必要とする複雑さとリスクをもたらすことも事実です。これらのシステムが意図した通りに機能し、改善や進化を遂げたとしても、その状態を維持するためには厳格で継続的なテストが必要です。
Agentforceにおけるテストの重要性
1.ビジネス運営にとって不可欠
Agentforceは、顧客とのやり取り、注文処理、金融取引、在庫管理など、影響の大きいビジネスシナリオを自動化します。これらのワークフローで障害が発生すると、業務の妨害やサービス提供の遅延、ケースによっては金銭的な罰則や規制違反につながるなどの問題が発生する可能性があります。
たとえば、払い戻しリクエストの処理を担当するAIエージェントは、CRMシステム、ERPプラットフォーム、在庫データベース間でアクションが同期されていることを確認する必要があります。このような複雑なマルチシステムワークフローが問題なく実行されることを確認するには、厳格なテストが不可欠です。
組織がミッションクリティカルな機能の管理をAgentforce に委ねる場合、堅牢で信頼性の高いテストを通じて次のことが保証されます。
● 自動化されたワークフローは、ストレスやピーク負荷の状況でもスムーズに実行される
● AIエージェントは運用ガイドラインとコンプライアンス標準に準拠していること
● システム障害や異常は、ビジネスの継続性に影響を与える前に特定され、解決する
2.評判の管理 (レピュテーションマネジメント)
AI自動化の失敗は、企業のブランドや評判に重大な影響を及ぼす可能性があります。顧客と利害関係者 (ステークホルダー) は信頼できるサービスと機密データの正確かつ安全な取り扱い、ポリシーとガイドラインを一貫して遵守することを期待しています。
一方、安心で信頼性の高いテストを行わないと、企業は顧客のネガティブな体験や運用上の失敗が公表され、それにより信頼と競争力が喪失するなどのリスクを負うことになります。企業の評判は貴重な資産であり、それを維持するにはすべての自動化されたプロセスを完璧に実行する必要があります。
堅牢かつ高度なテストソリューションにより、Agentforceは次の要件を担保することができます。
● 顧客への対応業務と社内業務全体で、一貫性のある正確なアウトプット
● 機密性の高い顧客データと重要なビジネスデータの保護
● ブランド価値に沿って透明性と倫理性を備えた組織運営
3.イノベーションへの継続的な対応
Agentforceは急速な進化をもたらすべく開発されており、頻繁に更新を行うことで市場の需要を満たし、新しい機能を提供します。ここで最適な自動テストの適用と継続的なテストサイクルの実現は極めて重要な要件です。絶え間ないイノベーションとその適応に迅速に対応できる企業こそが、競争上の優位性を獲得できます。
自動テストの導入:
包括的で高度な自動テストは、速度と信頼性のバランスをとる上で重要な役割を果たします。
● 新しく追加された機能のより迅速な展開をサポート
● 既存の機能が安定した状態を保つことを保証
● 更新中にエラーが発生するリスクを軽減
継続的なテストサイクル:
Agentforceのような、革新的なAIを活用したソリューションの市場投入までの時間を短縮します。
● 開発プロセスの早い段階で潜在的な問題を特定できる
● 開発チームが高品質の基準を維持しながら、迅速かつ反復性の高い効率を実現
4.ビジネスリスクの回避
AI搭載エージェントのアクションは、重要なビジネス領域に直接影響を及ぼします。適切なテストを行わないと、不正確な在庫更新により、在庫過剰または在庫不足や金融取引エラーにより収益損失が発生したり、法的またはコンプライアンス上の問題を引き起こすポリシー違反のようなリスクが生じます。
包括的なテストを通じて、Agentforceの導入が確立されたガイドラインに従って動作し、意図した結果が得られることが保証されます。さらに、テストの洞察に基づいた堅牢なリスク軽減のためのソリューションにより、企業は次の問題を回避できます。
● コストのかかるダウンタイムや運用の中断
● 規制当局からの罰金または罰則の適用
● 失敗したプロセスや不適切なプロセスから生じる顧客の不満
5.スケーラビリティと長期的な価値の最大化
Agentforceは、AI機能の拡張を目指す企業に、非常に優れたスケーラビリティを提供します。ただし、そのスケーラビリティ拡大によって、信頼性と一貫性を維持するという課題が増大します。包括的なテストにより、Agentforceの拡張時に次のことが保証されます。
● コア機能は安定して効果的であること
● 他のシステムやアプリケーションとの統合ポイントは引き続き機能すること
● 全体的なパフォーマンスを低下させることなく、新しいワークフローとユースケースを導入できること
既存の機能と新しく導入された機能の両方を検証することで、堅牢なテストは企業が Agentforce導入の長期的な価値を最大化するために役立ちます。
Agentforceテストにおける課題
Agentforceのテストでは、複数のシステム間における統合とAI駆動型の動作への依存により、特有の課題が生じます。主な課題は次の通りです。
1.マルチシステムワークフローの複雑さ
Agentforceは、ビジネス環境の中でSalesforce、ERPシステム、データウェアハウス、外部APIを含む全体で動作します。これらの密接で複雑なワークフローのテストにおいては、プラットフォーム間でのデータの一貫性の検証に加え、アクションが適切な下流効果を引き起こすことの確認、システム間のシームレスな統合などを確認する検証が必要です。
エンドツーエンドの機能性を保証するには、テストにこれらすべてのステップを含める必要があります。さらに、システム間の統合ポイントには独自の構成とデータ構造が含まれることが多く、テストシナリオの複雑さが増大することに注意しなければなりません。
2.動的かつ予測不可能なAIの行動
従来のソフトウェアとは異なり、Agentforceには時間の経過とともに学習して適応するAIエージェントが含まれ、テストにおいてはプロンプトとクエリに対する動的な応答や新しいデータに基づくさまざまな意思決定の結果の検証、またエージェントが進化するにつれて、継続的な検証に対処する必要があります。
AI駆動型システムは本質的に非決定論的 (いかなる原因にも左右されず、自己の意思は自身が決定する) であり、同様の条件下でも動作が変化する可能性があります。この予測不可能性により、膨大で幅広い入力とシナリオをシミュレートしたり、エージェントの応答をキャプチャして分析し、正確性と関連性の確認が求められることになります。さらに結果に影響を及ぼす可能性のある意図しない動作や偏見を監視するなどの高度なテストソリューションが必要になります。
3.テストの量と迅速な実行、頻繁な更新の対応
エンタープライズ環境では、大規模なテストの迅速な実行とAIモデルおよびワークフローの頻繁な更新への適応、継続的なデプロイメントのためにCI/CDパイプラインにシームレスに統合できるなどの要件を備えたテストソリューションが必要です。
手動テストが介入するアプローチでは、Agentforceの更新のスピードと複雑さへの対応が困難です。自動テストソリューションでは、数千のテストケースを同時に処理できるように拡張します。また開発チームに迅速なフィードバックを提供し、エッジケースやエラー処理を含むすべてのワークフローを徹底的にカバーできることが必須となります。
4.セキュリティとコンプライアンスの確保
Agentforceワークフローには、機密データやコンプライアンス要件が含まれることがよくあります。そのため安全なアクセスと認証を検証し、データプライバシー基準が遵守されていることの確認、さらに規制および企業ガイドラインの遵守を確認する検証が不可欠です。
たとえば、Agentforceが管理する顧客とのやり取りには、個人情報の取得、支払いの詳細の処理、アカウントレコードの更新などが含まれる場合があります。テストを通じて、機密データを不正アクセスから保護し、日本もグローバルビジネスで準拠が求められるGDPR (EUの個人データ保護規則) やCCPA (カリフォルニア州のプライバシー規制) などの業界規制への準拠、またそれらが透明性と倫理性をもって運営されていることの検証を確実に実行します。
5.ビジネス要件の進化
ビジネスが成長し進化するにつれて、AI自動化のニーズも高まります。Agentforceは新しいワークフローとユースケース、規制やコンプライアンスの状況の変化、そして新興テクノロジーの出現と統合の機会に適応する必要があります。
テストも同様に俊敏性に秀でて、次のことが可能でなければなりません。要件と構成の急速な変更をサポートし、新たに特定されたリスクや脆弱性への対処、そして既存のシステムおよびプロセスとの下位互換性を確保します。
AgentforceテストにおけるProvarの価値
Provarは、Agentforceを活用する企業や組織に具体的なメリットをもたらします。
1.ビジネスリスクの軽減
Provarは包括的なテストを提供することで、コストのかかるエラー、ダウンタイム、コンプライアンス違反などの可能性を減らします。これにより、ビジネスの継続性と信頼性が確保されます。
2.AI導入の信頼と自信の強化
Provarの堅牢な検証機能により、Agentforceの展開でエラーがなく、スケーラブルで安全であることが関係者に実証され、AI主導の運用に対する信頼が促進されます。
3.ROIの最適化
Provarは、Agentforceが予期しない中断や非効率なリスクをもたらすことなく、約束された価値を提供できるようにすることで、AI自動化への投資を担保します。
4.戦略的な敏捷性 (アジリティ)
Provarを使用すると、組織はAgentforceを新しいビジネスニーズに速やかかつシームレスに適応させ、ダイナミックに移り変わるビジネス市場で競争力を維持できるようになります。
5.データに基づく洞察
Provarのテストは、 Agentforceの導入の安定性と有効性に関する実用的な洞察を提供し、積極的なリスク管理と情報に基づいた意思決定を可能にします。
まとめ
Agentforceのテストは単なる技術的な要件ではありません。AI自動化の可能性を最大限に活用したいと考えている企業にとって、これはもはや戦略的な必須事項です。Agentforceワークフローの複雑さ、スケール、および動的な性質を鑑みると、包括的で信頼性の高いテスト自動化ソリューションが求められることは間違いありません。
Provar は、SalesforceとAgentforceテストを完全に提供できる唯一のプラットフォームとして評価されています。エンドツーエンド (E2E) の検証機能、スピード、スケーラビリティ、DevOpsパイプラインとの統合などの要件を満たす、Salesforceプラットフォームにとって欠かせないテスト自動化ツールであり、Provarを選択することで、企業や組織はAgentforceの展開においても高い信頼性と、効率的かつ安全であることが保証され、リスクを最小限に抑えながらROIを最大化できます。
AgentforceテストにProvarを選択し、安心してAI自動化の可能性を最大限に引き出しましょう。
自律型AIエージェント「Agentforce」の自動テスト環境の構築を推進
Salesforce向けテストツール『Provar』が、AIによる業務合理化の信頼性を向上
Salesforce向けの業界唯一の自動テストツール『Provar (プロバー)』の国内総代理店である株式会社アドックインターナショナル (本社:東京都立川市、代表取締役:小林 常治/以下ADOC) は、営業・サービス・マーケティング・コマースなどフロントオフィス業務全般を支援する、Salesforceの自律型AIエージェント「Agentforce」による業務効率化の信頼性向上のために、Provar製品によるテスト自動化環境の構築を推進します。
今回、ADOCはAgentforceテスト自動化サポートの一環として、Provarポータルサイト内に自動テスト導入のノウハウや最新トレンド、Provarの適用メリットや優位性などの情報を提供する「Provar for Agentforce」ページを新たに公開し、今後も継続して有用なコンテンツを提供します。
■Provar for Agentforceの情報ページ:https://provar-adoc.com/agentforce
■Provarポータルサイト:https://provar-adoc.com/
Agentforceにおいてテストが重要な理由
Agentforceは、顧客とのやり取り、データ分析、マーケティング活動など、企業にとって影響力の大きいビジネスシナリオを自動化します。これらのマルチシステムで動作する複雑なワークフローが、Salesforceとすべての統合システム全体で問題なく実行できることを検証することは、AI時代の企業活動において不可欠です。
●AIによる自動化の失敗は、業務の中断、顧客の不信感、ブランド毀損につながる可能性があります。堅牢で高信頼のテストにより、Salesforce全体でシームレスなパフォーマンスを保証し、顧客の信頼を維持する必要があります。
●Agentforceは市場の需要を満たすために急速な進化を続けます。このスピード感へ追随しながら、既存機能の品質を損なうことなく、新しい機能を実装・展開していくために、自動テストの導入は有効なソリューションです。
●AIエージェントの行動がガイドラインの範囲内であり、例えば在庫管理における正確性や、金融取引におけるエラーやポリシー違反といった実ビジネスで重大な悪影響が発生しないことを、テストで検証することは非常に重要です。
Agentforceのテストにおける『Provar』のメリット
Agentforceの機能にワークフロー全体を通じて一貫性と拡張性をもたらし、AIによる最適な業務合理化を実現することは、企業のイノベーションにおいて非常に重要です。ProvarはAgentforceの導入が期待どおりの信頼性、効率性、セキュリティを備えて提供されることを担保し、リスクを最小限に抑えながら、ROIを最大化します。
あらゆるユースケースで確実なパフォーマンスを発揮:
顧客向けサービスの自動化やデータに基づく意思決定のサポートなど、ProvarはAIエージェントがあらゆる統合、ペルソナ、シナリオによって意図されたとおり機能することを自動で検証します。
ワークフロー全体のエンドツーエンド (E2E) テスト:
Provarはすべての統合システム、データ、サービスにわたってAgentforceワークフローをテストできる市場で唯一のソリューションです。高度でセキュアなE2Eテストの適用により、Agentforceの導入リスクを最小化します。
開発期間の短縮と市場投入の迅速化:
テストの作成と実行を自動化することで、Provarは開発サイクルを短期化し、組織やチームがAgentforceによるイノベーション実現に迅速かつ自信を持って取り組むことを支援します。
アドック、Salesforce AppExchangeへのコンサルタント登録を発表
Salesforce向けテスト自動化ソリューション『Provar』により品質向上を推進
Salesforceプラットフォームに特化した、唯一のテスト自動化ツールである『Provar (プロバー)』の国内総代理店である株式会社アドックインターナショナル (本社:東京都立川市、代表取締役:小林 常治/以下ADOC) は本日、Salesforce AppExchangeにコンサルタントとして登録されたことを発表しました。これにより、お客様は特定のビジネスニーズに合った最適なSalesforce認定コンサルタントとつながることができます。ADOCはSalesforce向けテスト自動化技術を軸に、Salesforce開発・運用・保守プロセスを高度化し、Salesforceの品質向上を推進していきます。
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現在、ADOCのコンサルタント概要ページ(リスティングページ)は、AppExchangeの「コンサルティングパートナー」 (Salesforceに関する深い知識と特定の業界に関する専門的な知見をお探しのお客様に向けたAppExchange内のセクション) で公開されています。お客様は、新しいAppExchangeのコンサルタント検索機能である「Consultant Finder」を利用することで、200社を超える日本のコンサルティングパートナー企業から、個々のビジネス課題を解決するのに最適な専門家を見つけることができます。お客様は専門性、所在地、企業規模、お客様の評価、そして、65,000人を超える認定コンサルタントが実施した何千もの顧客プロジェクトからもたらされた知見に基づいて専門家を選択することができます。
[コンサルタント概要]
Salesforceの開発・導入・保守に関わる現場では、独自の機能実装や顧客の業務フローに合わせてアプリケーションをカスタマイズするケースも多く、その品質を担保していくためには継続的かつ網羅的なテストを行う必要があります。ProvarはSalesforceの手動テストへの依存やコストなど検証プロセスにおけるリスクを克服し、高度な自動化機能によって最新のリリースやアップデートに適応する高品質なアプリケーションの速やかなリリースを可能にします。
今後、ADOCはSalesforceアプリケーションおよび連携する統合環境の品質向上に向けて、Salesforceの開発・QAチームが抱えるさまざまな課題を解決し、高度な自動テスト環境構築のニーズをサポートします。今回の認定を通じ、Salesforceプラットフォームにおけるテスト自動化のコンサルティング・設計から導入支援、教育、運用・保守にいたるまで、Provar製品をコアに最適な自動化ソリューションを提供することによって、Salesforceおよびエコシステム全体のビジネス価値をさらに高めていきます。
【第2回】統合テストと回帰テストの実現 (後編)
前回 (第2回の前編) は、最適な自動化ソリューションによってSalesforceプラットフォームの統合テストをサポートすることで、エンドツーエンド (E2E) のテスト戦略を強化する方法と手順などについて紹介しました。
この後編ではProvarによる統合テスト実現のメリット、また、やはりE2Eテスト戦略の重要な要件となる回帰テストの自動化ソリューション適用についても触れています。開発に伴う新しい機能の追加や改修作業、さらに定期的なSalesforceのバージョンアップによる更新や機能変更が既存の機能やUIに悪影響を与えないことを確認し、システムの整合性と信頼性を維持するために、回帰テスト自動化の取り組みは必須となっています。
Salesforce統合テストにProvarを採用する理由
Provarは開発時からSalesforce専用に設計されており、Salesforce固有の課題に対応する強力なテスト自動化と品質向上のための機能を提供します。ProvarはSalesforce自体のバージョンアップに伴うテストに深くかかわっており、メジャーリリースのタイミングに同期して、Salesforceの最新の更新や機能を早期に追加しています。
緊密なSalesforce統合
ProvarはSalesforceと緊密に統合されており、他のテスト自動化ツールでは実現できないネイティブなエクスペリエンスを提供します。両者の緊密な統合により、テストが常にSalesforceの構成やカスタマイズと自動で同期するようになり、正確で信頼性の高いテストケースを容易に作成できるようになります。
ビジュアルなテスト設計
Provarの直感的なコード不要のインターフェイスにより、ユーザーはドラッグアンドドロップ方式で視覚的にテストを設計できます。この使いやすさを活かし、技術系と非技術系の両方のチームメンバーがテスト作成に参加することで、コラボレーションを促進してテストプロセスをスピードアップできます。
UIからAPIテストまで包括的なテスト範囲
ProvarはUIおよび機能テストから回帰テストやAPIテストまで、幅広いテストシナリオをサポートしています。この包括的なカバレッジにより、Salesforce統合環境のあらゆる側面が徹底的にテストされ、潜在的な問題がビジネスに影響する前に特定されます。
データ駆動型テスト
Provarの適用によって、複数のデータセットを使用して現実のシナリオをシミュレートする「データ駆動型テスト」を作成できます。この機能により、統合プラットフォームがさまざまな入力条件をどのように処理するかをテストし、テスト範囲を拡大してエッジケース (極端なパラメータや動作環境によってまれに生じる不具合) を特定することが可能になります。
継続的インテグレーションと継続的デリバリー (CI/CD)
ProvarはJenkins、GitLab、Azure DevOps などの一般に利用されるCI/CDツールと統合され、開発ライフサイクル全体にわたって継続的なテストを可能にします。ProvarをCI/CDパイプラインに組み込むことで、エンドツーエンドのテストの実行を自動化し、統合テストで起こる問題を早期に検出して解決することができます。
リアルタイムレポートと分析
Provarはリアルタイムのレポートと分析機能を提供し、テスト結果、欠陥、システム全体の健全性を即座に可視化します。ここから得られる洞察により、情報に基づいた意思決定、修正の優先順位付け、さらには時間の経過に伴う進捗状況の追跡が可能になります。
Salesforceの統合テストの課題を乗り越える
統合テスト自動化の取り組みにおいて、直面する課題の一つはSalesforce環境内外で相互接続されたシステムの複雑さに起因するものです。これにより統合の不具合の根本原因を特定して切り分けることが困難になり、さまざまなコンポーネント間のバージョンの不一致や、テスト中に障害が発生する可能性があります。さらに、統合環境の動的な性質により、安定した再現可能なテスト条件を作成することが困難になる場合もあります。
そこで、Provar AutomationやProvar Gridなどの自動テストツールを実装すると、プロセスを合理化でき、統合の問題を迅速に検出して解決することができます。またシステムの依存関係、バージョン管理、構成の詳細に関する包括的なドキュメントを保持しておくことも、トラブルシューティングに役立ちます。開発、テスト、運用の各チーム間のコミュニケーションが円滑化することで、より総合的なアプローチが促進され、統合テストが受動的なものから積極的な取り組みへと変化し、最終的にSalesforceシステムの信頼性と安定性が飛躍的に向上します。
継続的な回帰テストの自動化のために
一方、回帰テスト (リグレッションテスト) はソフトウェア・アプリケーションの信頼性を確保し、最新の変更や更新が既存の機能に悪影響を与えていないことを確認する上で重要な役割を果たします。各テスト工程で発生した不具合の改修に伴う影響の確認やリリース前の最終チェック、また新機能の追加やUIの変更などに応じて、テスト範囲が拡大する可能性があります。
ただし、手動の回帰テストは時間と手間がかかるため、エラーが発生しやすく、リソースを大量に消費するリスクがあります。その解決策として有用なのは、回帰テストを自動化してプロセスを合理化し、効率を高め、優れたソフトウェア品質を実現することです。
回帰テストをなぜ自動化するのか?
回帰テストは、ソフトウェアテスト・ライフサイクルの重要なコンポーネントです。これは、以前に検証された機能を再テストして、新しいコードの変更、更新、または統合によって意図しない副作用が発生していないことを確認するものです。これは、年3回のメジャーバージョンアップを実施するSalesforceプラットフォームに関わるアプリケーション全体の安定性と信頼性を維持するためにも不可欠です。
高信頼かつ高精度の回帰テスト戦略がなければ、わずかなコード変更のたびに重大な問題が発生し、慢性的なテスト担当者の不満とユーザーや顧客の信用失墜、収益の損失、時に企業や組織の評判の低下を招く可能性があります。
適正な自動テストツールの実装によって回帰テストを自動化できると、自動化されたテストがより高速かつ頻繁に実行されるようになるため、効率が向上し、テスト担当者はより生産的なタスクに集中できるようになります。また、テストが自動化されることにより人的エラーが排除されるため、精度の確保とコスト削減にも役立ちます。さらにProvarの場合は、テストスクリプトを複数の回帰サイクルで再利用でき、自動化によりアプリケーションの複雑さの増大に対応可能なため、再利用性と拡張性が向上し、包括的なテストカバレッジが確保されます。
回帰テストを自動化するためのポイント
回帰テストを自動化するのは面倒に思えるかもしれませんが、適切なアプローチを使用すれば、管理しやすく、非常に効果的になります。以下では回帰テストの自動化に際して検討すべきプロセスを簡単にまとめています。
テスト自動化のROIを検討する
最初にコスト削減 (時間の節約、リソースに関するコストカット、欠陥防止) とテスト自動化ソリューションへの投資を比較します。たとえば英Provar社は「Provar ROI Calculator」と呼ぶ簡易ツールを用意しており、このプロセスの簡素化を支援しています。
テストケースの優先順位を決める
自動化する前に、影響の大きいテストケースを特定して優先順位を付けます。これにより、重要な機能が常に最初にテストされるようになります。
テスト開発時間を短縮
テストをより小さく管理しやすい部分に分割して、開発プロセスの合理化を図ることで、テストケースの作成をスピードアップします。
コンポーネントの再利用とデザインパターンを活用する
モジュール式コンポーネントを開発し、一貫した命名規則に従うことで、コードの明確さを高め、担当者およびチームのコラボレーションを促進します。
さまざまな環境でテストを実行する
さまざまな設定にわたって堅牢性を確保するために、複数の環境でテストを実行する最適なテスト自動化ソリューションを実装します。
定期的にテスト戦略を見直す
自動化された回帰テストを継続的にレビューして改良し、その有効性と信頼性を確保します。こうしたプロセスを一貫してサポートできる最適な機能性と経済性を評価して、テスト自動化ソリューションを採用することが成功のカギとなります。
Provar Automationによる自動回帰テストの実現
Provarの基本モジュールであるProvar Automationは、Salesforceにおけるテストと品質のプロセスを簡素化および強化するために開発されたソリューションです。同製品は、Salesforceのローコード開発プラットフォームを念頭に置いて設計された直感的なインターフェイスを提供することによって、あらゆる経験レベルのテスターであっても回帰テストの実施プロセスをリードできるようになります。インテリジェントなテスト設計機能によって包括的なテストカバレッジが保証され、CI/CDパイプラインおよび既存のワークフローとのシームレスな統合を実現することにより、効率と生産性が最大限に高まります。
また、Provar Automationのスケーラブルなアーキテクチャは、小規模なアプリケーションから複雑なエンタープライズシステムまで、さまざまなテストニーズに対応します。スモールスタートから回帰テストの取り組みを加速し、市場投入までの時間を短縮して競争力を強化します。
回帰テストの自動化は、効率の向上、リリースサイクルの高速化、優れたソフトウェア品質の実現に不可欠です。前述の手法を実践することで、テスト担当者やチームは回帰テストの効率を向上し、自動化のメリットを最大限に活用することができます。このように回帰テストに最適な自動化ソリューションを適用できると、手動テストからのスムーズな移行、リソースの効率化とコスト削減、ソフトウェアの高い品質を確保することができます。
結論
堅牢で信頼性の高いSalesforceアプリケーションを開発・運用するには、エンドーツーエンドのテスト戦略を踏まえた統合テスト、回帰テストの確実な実践が不可欠です。
自動テストを成功させる基本的な作業は、実用的なテストのガイドラインに従って、コンポーネント間の実際の相互作用をエミュレートするために、明確さ、具体性、および重要なシナリオの優先順位付けに重点を置いてテストを作成することであり、テストスイートを管理および維持するための手法も同様に重要です。これにより、ソフトウェアの変更に合わせてスイートを定期的に確認および更新し、モジュール化を組み込んで保守性を高めます。
そしてもう一つのベストプラクティスである最適な自動化ソリューションの適用には、継続的インテグレーションに統合テストを組み込むことも必須の要件となるでしょう(または近い将来の取り組み目標として)。このアプローチを通じて、テストが開発パイプラインの一部にシームレスに組み込まれ、変更に関するリアルタイムなフィードバックが提供され、開発ライフサイクル全体にわたってソフトウェアの整合性が維持されます
常に進化するソフトウェア開発環境において、綿密に練られたエンドツーエンドのテスト戦略は強力な盾となり、特に統合テストと回帰テストの自動化は予期せぬ課題を未然に防ぎ、継続的に製品の安定性と顧客満足度の向上に貢献します。Salesforceがそのビジネス価値を最大化するためのソフトウェア品質の向上は、高いレジリエンス(復元機能)を備え、効率的で、信頼できる自動化ソリューションにより実現されるのです。
【第2回】統合テストと回帰テストの実現 (前編)
前回は、Salesforce 統合環境におけるエンドツーエンド (E2E) テストの自動化というテーマにフォーカスして解説しました。包括的なテストを通じて影響し合うシステムの問題を早期に検出して対処することで、障害やダウンタイムのリスクが軽減され、ビジネスの継続性と運用への影響が最小限に抑えることができます。
第二回目の前後半では、ProvarがSalesforceシステムの統合テストと回帰テストをサポートすることで、エンドツーエンドのテスト戦略を強化する方法とそのメリット紹介します。
統合テストの課題と解決の必要性
統合テストは、個別に開発されたモジュールやコンポーネントが互いに適切に連携し、全体として期待通りに機能するかを検証するテストです。個々のモジュールやユニットに重点を置く単体テストとは異なり、統合テストでは、システムが正しく機能することを確認するために、さまざまなパーツがどのように連携するかを検証します。統合テストはソフトウェア品質を担保する要であり、さまざまなソフトウェアモジュールが互いに通信し合うことを想定し、即座に問題を見つけて修正することが求められます。
しっかりとしたテスト計画をベースに統合テストが実施されれば、ソフトウェアの強度が維持され、統合の過程や実際の使用時にバグによる問題発生を防ぐことができます。これは、Salesforceに代表されるプラットフォームや関連アプリケーションの優れたパフォーマンスを発揮する、信頼性が高く安定したソフトウェアシステムを実現するための鍵です。
統合テストの役割とシフトライト
統合テストは、ソフトウェアのさまざまなコンポーネントをつなぎ合わせてシームレスな適合を保証する、アーキテクチャ上の接着剤のように機能します。その目的は、これらの組み合わせた要素が調和して機能することを保証し、相互作用から生じる問題を特定して修正することです。
個々のコンポーネントを個別に精査する単体テストやソフトウェアシステム全体を評価するシステムテストとは異なり、統合テストは異なるモジュール間の統合ポイントに重点を置いています。統合テストは、ソフトウェアのさまざまな部分が対話するときに問題や矛盾を解決するソフトウェアの仲介役を果たすものです。
ソフトウェア開発において、統合テストはさまざまなコンポーネント間の相乗効果を検査する重要なチェックポイントです。このフェーズは、ソフトウェアのリリース後に、実際の運用状況から得られるデータやユーザーフィードバックを活用して、継続的に品質を向上させる「シフトライト」アプローチを検討、実装を進めるうえでさらに重要になります。私たちの考える統合テストのシフトライトでは、従来の初期段階を超えて評価を拡張し、テストおよび展開フェーズでの問題検出に重点を置きます。例えば通信障害、データフローの問題、およびインターフェイスの不一致に関連する課題に速やかに対処するなど、シフトライトの枠組みの中の統合テストはソフトウェアの整合性を維持する上で役立ちます。
堅牢で安定した統合テスト戦略とシフトライトの考え方を組み合わせることは、統合フェーズ中や実際のシナリオで発生する可能性のあるバグを積極的に防止するために不可欠です。このアプローチにより、ソフトウェアの信頼性、安定性、および高パフォーマンスが大幅に向上します。
統合テストの実施方法
統合テストにはさまざまな手法があります。トップダウン型の統合テストは、ソフトウェアアーキテクチャの最上位レベルから開始し、下位レベルのモジュールを徐々に統合します。対照的に、ボトムアップ型の統合テストは下位レベルから開始し、上位レベルのモジュールを徐々に統合します。そして差分型の統合テストは段階的なアプローチを採用し、小さなシステムユニットを段階的に組み合わせてテストを実行します。
一方、ビッグバン統合テストアプローチは、すべてのコンポーネントを同時に結合してテストする包括的な検証方法です。いずれもプロジェクトに適した統合テストの各種アプローチを選択することは、ソフトウェアの範囲や要件、複雑さによって異なります。
体系的または段階的な統合を選択するか、全体的な評価を選択するかにかかわらず、目標は同じであり、組み合わせたコンポーネントがシームレスに調和し、ソフトウェアの信頼性、安定性、パフォーマンスの強化などを実現することです。諸条件を加味し、適切な統合テスト手法を選択することは、ソフトウェアプロジェクトの成功につながります。
統合テストの利点
最適化された統合テストは、ソフトウェア開発に独自の利点をもたらします。以下に概要を示します。
システムレベルの問題の早期検出
統合テストは、ソフトウェアの早期警告システムと考えてください。さまざまなコンポーネントの相互作用をチェックすることで、潜在的なシステムレベルの問題を見つけ出し、開発段階やリリース段階の後半で深刻な問題になる前に問題を捕捉します。
コンポーネント間のスムーズな相互作用の確保
統合テストはソフトウェアコンポーネントの仲介役であると述べました。統合テストは、これらのモジュールが接続する場所に焦点を当て、競合や不具合が生じる瞬間なしにモジュール同士が連携を図ることで、スムーズなインタラクション (相互作用) を実現します。これは、ソフトウェアの機能とパフォーマンスを確実なものにするための鍵となります。
事前に統合失敗のリスクを軽減
統合テストは、ソフトウェアのリリース前に深刻な危機に陥る可能性を大幅に減らします。テスト中に通信の途絶やデータフローの中断などの課題に取り組むことで、安定して信頼性の高いソフトウェアシステムが実現します。
ソフトウェア全体の信頼性と安定性の向上
適切な統合テストは、ソフトウェアに大きな力をもたらします。全体的な信頼性と安定性を高め、統合作業または実際の動作中に発生する可能性のあるバグから保護します。統合テストを適切に活用すれば、ソフトウェアは優れたパフォーマンスを発揮し、常にユーザーの期待に応え、時にそれを上回ることができます。
統合テストのプロセス
統合テストの過程は、ソフトウェア開発からビジネス現場の大きなパフォーマンスを発揮するための重要なプロセスといえます。以下ではProvarの適用を念頭に、開始するための手順を簡潔にまとめています。
ステップ1:網羅的なテストケースの作成
まず、テストスクリプトの作成から着手します。さまざまなソフトウェアコンポーネント間でテストする特定の相互作用を定義します。シナリオと結果を詳細に記述し、統合プロセスのロードマップを作成します。このステップにより、テスト作業が明確に定義され、ソフトウェアの意図された機能と整合していることが保証されます。
ステップ2:適切なテスト環境を整える
次は、テスト環境を作成します。実際の状況を反映する制御された領域を構成します。運用環境の複雑さを複製し、統合テスト環境の信頼性が高く適切であることを確認します。データベースのセットアップからユーザーシナリオのシミュレーションまで、シームレスな統合エクスペリエンスのステージが設定されていることを確認し、チームが統合テストの強固な基盤を確立することも重要です。このようなProvarで構築可能なテスト環境は、高い復元力 (レジリエンス) と適応性を備えており、さまざまなブラウザやデバイスで同時にテストを実行できます。例えばProvar Grid製品は動的なグリッドアーキテクチャにより、テストを迅速に展開して実行し、テストスクリプトのコマンドとイベントを実行環境に直接配置することが可能です。テストの効率を高め、さまざまなプラットフォーム間での潜在的な統合の課題の検出を効率化します。
ステップ3:適切なツールを準備する
最後のステップでは統合テストツールの調査・選定を行い、適切なツールを使って統合テストの自動化を開始する必要があります。Provarの基本機能であるProvar Automationは、統合テストツールの一つとして評価されており、APIテスト、MuleSoft (APIの開発から運用・監視までに必要な機能を備えたクラウドプラットフォーム) の統合、電子メールのテスト、包括的なエンドツーエンドのテストシナリオの作成など、さまざまな領域でその能力を発揮します。
APIテストに関しては、Provar Automationの直感的なローコードインターフェイスと堅牢な機能により、さまざまなソフトウェアコンポーネント間のシームレスな通信と機能性を保証するための理想的な選択肢となります。MuleSoft統合に特化したサポートにより、開発・QAチームは複雑な統合アーキテクチャ内での接続性とデータフローを効率的に検証できます。また、電子メールテストにも最適で、アプリケーション内での電子メール機能の統合を検証するための合理的なアプローチを提供します。
Provar Automationの汎用性はエンドツーエンドのテストで発揮され、ソフトウェアシステム内のさまざまな要素の連携を評価するための統合プラットフォームを提供します。また適応性と効率性を備えた統合テストの強力なツールとしても、さまざまなアプリケーションやシナリオにわたって包括的かつ効果的な統合テストの実行を容易にします。
これらの手順を確実に実行することで、統合テストの自動化に取り組むだけでなく、優れたソフトウェア品質を実現できます。 (後編に続く)
Salesforce Experience Cloudの制御など、回帰テストの自動化を強化
Salesforce Spring’25に対応する自動テストツール『Provar』の最新版を発表
Salesforceに特化した業界唯一の自動テストツール『Provar (プロバー)』の国内総代理店である株式会社アドックインターナショナル (本社:東京都立川市、代表取締役:小林 常治/以下ADOC) は、マーケティング・CRM・SFAおよび顧客サービスなどの領域で国内トップシェアを誇るSalesforceの最新メジャーバージョンアップとなるSalesforce Spring’25 リリースに対応した、Provarの最新版「Provar Spring’25 R1」の提供を開始します。
■Provar製品ポータルサイトのURL:https://provar-adoc.com/
最新版では、Provarの高い優位性であるテスト対象要素に対する独自のロケーティング機能「NitroX」を強化しています。これにより近年、日本国内でも利用が進んでいる、Salesforce標準機能として提供するテンプレートを用いて容易かつスピーディーにWebサイトを構築可能な「Salesforce Experience Cloud」において、従来のテストツールでは困難とされた高度な自動制御が可能となりました。
Salesforceのバージョンアップと回帰テスト
Salesforceは年3回予定されるメジャーバージョンアップのタイミングにおいて、UI/UX、フレームワーク、およびAPI等の更新に対応する複雑な回帰テストのためにProvarを採用しています。こうしてProvarはSalesforceの品質向上に深く関わるとともに、最新リリースにも速やかに追随、対応しています。
回帰テスト (リグレッションテスト) とは、新しい機能のリリースや既存機能の改善時などに実施するテストであり、Salesforceの継続的なバージョンアップに際しては、追加機能や更新が既存システムに悪影響を与えないために、信頼性と経済性の高い回帰テストが必須です。ProvarはSalesforce向けテスト自動化ツールとして、Salesforceのカスタマイズ等に伴う検証プロセスのさまざまな課題を克服し、高度な自動化によって高品質なアプリケーションの早期リリースを可能にします。
「Provar Spring‘25 R1」の強化ポイント・機能
Salesforce Spring‘25における変更に伴い、Provar Spring’25 R1は作成済みProvar自動化スクリプトの動作に影響の出る箇所を修正し、テスト自動化スクリプトが従来通りに問題なく実行できることを保証します。
各製品機能の主な強化ポイント
【Provar Automation】
(1) Provarの高性能の独自ロケータ「NitroX」の機能強化
● Experience Cloudのサポート強化・・・ページ要素制御にNitoroXを利用することでノーコードでのマッピングが可能に。この機能強化により、Experience Cloudのテストケース作成とメンテナンスの生産性が向上する
● PageMappingsを使用したLightningデータテーブルのマッピング強化 ・・・Lightningデータテーブル内のコンポーネントのシームレスな編集、検索、正誤判断が可能になり、テストカバレッジの向上と使いやすさが保証される
● フィールドマッピングとインタラクションの強化のためのUIの更新
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NitroX機能アップデート画面のサンプル |
(2) その他機能強化
● ToolingオブジェクトのためのSOQLクエリー・ステップの拡張/強化
● Provarエディタにおけるピックリスト/マルチピックリストのラベルサポート強化
● HTMLとJUnitを統合したANT実行レポート
● テスト実行中止コマンドの実装、リアルタイムでのテスト実行結果出力機能の実装
【Provar Manager】
(1) 「User Experience Hub」機能により、ユーザ体験をテストへフィードバックするため下記のUIを実装
● User Journeys and Journey Maps ・・・ プロダクトを操作する際の処理ステップを記述するビジュアル・ツール
● UX Pain Points ・・・ 特定タスクで直面する課題を記録し、不具合検知する
● UX Opportunities ・・・ ユーザーエクスペリエンスを向上させるためのアイデアを記録
(2) テスト管理ツール「TestRail」との連携強化により、TestRailからテストプロジェクト情報をインポート
(3) メタデータトラッキングにおけるサポート範囲拡大
(4) その他機能強化
● PasswordフィールドでのAPIトークンサポート開始
● API Requestタイプに対するTest Plan Scheduleパラメータを追加