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Salesforceのテストにおける「10の課題」とは

Salesforceは、顧客関係管理 (CRM) を始めその他の重要なビジネスプロセスのための堅牢で信頼性の高いプラットフォームを提供する、世界中の組織やビジネスにとって欠かせないツールです。しかし、その優れた機能には、Salesforceの複雑さとテストの問題が付きまとい、果たしてアプリケーションの機能や機能性が適切に動作するのか、スピーディかつ継続的な検証が大きな課題となっています。

Salesforceでのテストには、独特の、そして多くの場合コストのかかる課題が伴うことがあります。そのため、これらのハードルを理解することが、テストの課題を克服するための第一歩となります。

今回は、Salesforceにおけるテスト課題トップ10の理解を通じて、Provarを使用することで組織がこれらの問題にどう対処すべきか、またテスト目標を達成するうえでどのように役立つかを解説します。

#1:頻繁なアップデートとリリース

Salesforceは定期的なアップデートを行うことで知られており、メジャーリリースは年に3回行われます。既存の機能やアプリケーションまたは業務に影響を与える可能性があるため、対応の準備期間としてSandbox環境でのプレビュー期間が6週間用意されています。

このアップデートにより、広範囲にわたって大規模な新機能のリリースや機能改善が追加されますが、一方で既存の機能が損なわれる可能性があります。組織のSalesforce環境が新しいバージョンと互換性を保つためには、テストを網羅的かつ正確、迅速に行わねばなりません。また、変更に対して安定した堅牢性を維持するには、テストをWeb APIのDOM環境よりも復元性 (レジリエンス) の高いロケータ上に構築する必要があります。

#2:カスタマイズの複雑さ

Salesforceは広範なカスタマイズが可能であり、組織が特定のビジネス目標を達成できるように支援します。ただし、Salesforce環境に含まれるカスタマイズが増えるほど、テストが困難になります。カスタムワークフローやオブジェクト、コードが意図したとおりに動作し、エコシステムの他の部分に影響を与えないことを確認するために、厳密なテストが必要です。

Salesforceは包括的なプラットフォームであり、標準構成だけでも組織のさまざまなニーズを満たす柔軟性をユーザーに提供しますが、組織の文化や慣習、またビジネスの拡大に伴い、標準構成では最終的に限界が生じます。これを打破するためには、これらの組織はカスタマイズ、つまり開発チームによってSalesforceアプリケーションに独自の機能や特徴を付与する必要があります。

現在市場に出回っているテスト自動化ソリューションのほとんどは、大掛かりなメンテナンスを必要とする低信頼性の脆弱なテスト環境しか提供できず、Salesforceのカスタマイズ要件を満たすことができません。不十分なソリューションはイノベーションを停滞させ、促進要因ではなくボトルネックとなります。将来に渡る進化を願っても、不適当なテスト自動化ソリューションはSalesforceのカスタマイズの可能性を台無しにし、適用を妨げる可能性があります。

#3:サードパーティアプリケーションとの統合

Salesforceの最も重要な側面の1つは、マーケティング自動化ツールからデータストレージソリューションまで、あらゆるサードパーティ アプリケーションとの統合です。

たとえば消費者向けのオンラインショッピングを提供するためのクラウドベースのプラットフォームであるSalesforce B2C Commerceの要はそのストアフロント機能であり、BtoCのECサイトを簡単に構築でき、モバイルコマースにも対応しています。一方、オンラインでの税金、クレジットカード支払、出荷する配送業者に関する処理などには非対応であり、最適なサードパーティアプリケーションを組み合わせることよって、ストアフロントに必要な専門機能を満たすことができます。

これらの統合環境をテストすることは、システムが適切に機能し、顧客体験が中断されないことを確認するために不可欠です。1つのシステムの変更は他のアプリケーションにも波及することが多く、E2E (エンド・ツー・エンド) の統合テストはテストプロセスの継続的で重要な作業になります。

#4:データ品質と移行

異なる Salesforceインスタンス間でデータを転送することは、慎重かつ正確な管理を必要とする重要な操作です。データの品質が低いと運用上の問題につながり、利益の損失、評判の低下、場合によっては高額なペナルティにつながる可能性があります。そのため、信頼性の高いテストソリューションを採用し、データ移行中に厳密なテストを実行することで、データの一貫性と完全性を確保する必要があります。

#5:データセキュリティとプライバシーに関する懸念

Salesforceは、規制の厳しい業界の機密性の高い顧客データと企業データを管理しています。そのため、セキュリティとプライバシーの順守は重要な検討事項です。組織は、Salesforce環境を不正アクセス、データ侵害、セキュリティの脅威から保護するために、定期的なセキュリティチェックを実施し、徹底したセキュリティテスト対策を採用する必要があります。

またデータセキュリティには、 暗号化とプロアクティブな監視を統合した堅牢なアプローチが必要で、潜在的な侵害に対する包括的な保護が確保されます。データセキュリティは、セキュリティやコンプライアンスに重点を置く業務に直接関与するユーザーだけでなく、すべての Salesforceユーザーにとって重要です。

テストの自動化は、強固なデータセキュリティを確保するための鍵となりますが、最も重要な項目をすべてチェックできる適切なソリューションを導入していることが条件となります。

#6:パフォーマンスとスケーラビリティのテスト

組織のSalesforceエコシステムが成長するにつれて、負荷と範囲が拡大してもシステムパフォーマンスが維持されることを確認する必要があります。性能に関する要件を満たすかどうか、適切なパフォーマンステストを実行することで、組織やチームはパフォーマンスの低下につながる潜在的なボトルネックやスケーラビリティの問題を容易に特定できるため、安定した品質を維持し、リスクを回避することができます。

#7:回帰テスト

回帰テスト (リグレッションテスト) とは、新しい機能のリリースや、既存機能の改善時などに実施するテストであり、ソフトウェア開発において修正や追加などの変更を行う際に、既存の機能が影響を受けていないかを検証するテスト手法です。

Salesforceの継続的な変更には、新しい更新やリリースが既存の機能に悪影響を与えないように、頻繁かつ信頼性の高い回帰テストが必須です。自動回帰テストを設定することにより、新しい変更によって新しい課題が発生しないようにするために必要な時間と労力を大幅に削減できます。

Salesforceにおけるテストのプロセスは一筋縄ではいきません。たとえ以前にテスト済みであっても、アプリケーションの不具合につながる可能性のある障害はいくつもあります。Salesforceは高度なテストプロセスの自動化によって、常に可能な限り効率を高めることを推奨しています。

#8:複雑な技術コンポーネント

Salesforceは、Lightningコンポーネント、Visualforceページなど、チームがカスタムユーザーインターフェースを作成して運用を改善する多くの方法を提供します。そのため、技術部分の有用性、互換性、セキュリティ、パフォーマンスを徹底的にテストするには、知識と特別なツールが必須です。このプロセスを合理化するには、CI/CDやDevOps開発などの推進を念頭に設計されたテスト自動化ソリューションを活用することが不可欠です。

またSalesforceのようなローコードプラットフォームにおいて、さまざまな開発リスクを回避するためには、ローコードによる開発をサポートし、迅速な結果と顧客エクスペリエンスの改善を保証する宣言型テストを採用することを検討します。ローコードテスト自動化ソリューションにより、テストケースの網羅的で迅速な作成と、テストを容易に実行することで導入障壁を取り除き、人材リソースの適正化に貢献します。

#9:マルチな利用環境と不必要なやり直し

非効率的なテストプロセスと冗長で反復的なテストケースは、不要なやり直しにつながり、貴重な時間、労力、リソースを無駄に消費します。また自動テストは、時間とコストへの影響を最小限に抑えながら製品の品質を向上させるのに役立ちますが、顧客はさまざまなブラウザやプラットフォーム、OSを使用している可能性が高いため、テストではこれらが混在する複雑な環境をカバーして、システム品質を望ましいレベルに保たねばなりません。そのためには、クロスブラウザおよびクロスプラットフォーム対応のテスト環境が必要です。

明確なテストプロトコルと効率的なコミュニケーションラインを確立し、詳細なドキュメントとビジネスの拡大に対応して設計・開発された自動テストツールを使用することで、不要なやり直しを最小限に抑え、組織におけるSalesforceテストを効率化できます。

#10:ヒューマンエラー

急速に変化する今日のビジネス環境では、Salesforceエコシステム内のミッションクリティカルなアプリケーションの品質と機能を確保することが最も重要です。

手動テストは、小規模なシステムや初期のテスト段階では現実的なオプションですが、組織が拡大し、Salesforceエコシステムがより大きく複雑になるにつれて、理想的ではなくなります。優れた自動テストソリューションは、テストを正確に実行し、品質を向上させるためのより効率的で効果的なアプローチを提供します。

テストの最も難しい側面は、人為的エラーが発生しやすいことです。単純なキーミスにより、Salesforceエコシステム全体で欠陥や不整合が見逃される可能性があります。反復的で複雑なテキストケースを自動化すると、人為的エラーが減り、より信頼性が高く一貫性のあるテスト結果を得ることができます。

まとめ

Salesforceにおけるテストは、頻繁な更新の管理からデータのセキュリティとパフォーマンスの確保まで、それを利用するすべての企業や組織に固有の課題をもたらしています。これらの課題を理解し、先進のテクノロジーに基づいたテスト戦略を実装することで、組織はSalesforce環境の信頼性と効率性を確保し、ビジネスや顧客の信頼を維持することができます。

Provarは、Salesforce専用に設計された堅牢で柔軟なテストソリューションを提供し、組織に固有のテストおよび品質管理の課題や要件に対応します。Provarが備える高度でレジリエントな機能とローコードインターフェースにより、開発・QAチームはSalesforceがもつ複雑な側面を容易で効率的にコントロールできるようになり、アプリケーションがシームレスかつ安全に動作することを保証します。